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柏崎刈羽原発に関する県の「技術委員会」


 昨日開催された技術委員会(地震、地質・地盤に関する小委員会)を傍聴しての感想です。
上の写真はその様子です(こちらに背を向けているのが東京電力の代表、向かいが3人の委員、左奥が委員長(司会))。
1. 全国でも例を見ない、新潟の技術委員会(原発の安全性を専門家と電気事業者が詳細に検討し、市民に情報公開する仕組み)の試みは、やはり非常に重要であると再認識しました。実際、駆り出される専門家は忙しいのに面倒な仕事が増えるし、東京電力は何度も詳細な説明が求められて、これも面倒だし、市民にとっても議論は回りくどくて歯がゆいし、会議は誰もハッピーでないように見えるのですが、原発という問題を、立場を異にするアクター同士でも、まずは冷静な「討議」の対象としてやりとりをするという実践自体に大きな意味があると思いました。
2. しかし、議事運営にきわめて問題アリ!でした。会議のアジェンダが共有されておらず、限られた時間内で有効な意見のやりとりをするには、あまりに拙劣な議事運営でした。分節化した委員会同士の連携もちくはぐで、地震や地盤についての小委員会なのに、原発のプラントについて専門外の委員がずいぶんやり取りをせざるをえない状況は、ひどいと思いました。
3. これに関連し、限られた時間の中で、東電側が説明・発言する時間があまりに長すぎて、「討議」や「熟議」が十分なされていない印象を受けました。「熟議」のためには、もっと委員の質問を中心に、議事が運営されるべきだと思います。東電側のプレゼンは真摯で丁寧、詳細なものでしたが、枝葉の内容に時間が割かれ、大枠のテーマ(断層や地震は柏崎刈羽原発にいかなる影響を与えうるかという大問題)に迫るためには隔靴掻痒の感を受けました。ジャーゴンを早口に多用する姿勢からは、市民に分かりやすく説明しようという印象はうかがえませんでした。
4. これに関連し、席順に問題アリです。市民の傍聴席は、裁判所と同じように、チェアー(司会・座長)に向かい合う形で据えられるべきです(あるいはチェアーの後ろ)。細かいことですが、技術委員会の重要な役割のひとつが市民への情報公開(デモクラシー)にあるとすれば、それはきわめて基本的かつ重要なことです。
5. 加えて、これに関連し、もっと議論の内容がより分かり易い形で市民に伝えられる仕組みをつくるべきだと思いました。マスメディアもまた本来その役割を果たすべきなのでしょうが、県が主催している以上、形式的に会議を公開にしたというだけでなく、専門的かつ難解な議論をわかりやすく市民に紹介するサービスがあってもいいと思います。
いずれにせよ、技術委員会は政治学者にとっては興味の尽きない論点がたくさんあります。

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