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1954年――「被ばく社会」の未来

今日は、民放テレビのドキュメンタリー番組で衝撃的な事実を知りました。
またもや、こんな大切な事を知らなかった自分を恥ずかしく思います。
1954年、アメリカ核実験の際、第五福竜丸以外にも、実は多くの漁船や貨物船が被ばくしていたという事実、そしてその乗組員たちは今ではことごとく癌や心臓発作で若死にしているという事実です。また、当時の時代背景や差別への恐怖もあって、それら死の灰を浴びた多くの人たちは、長年口を閉ざさるをえず、公的な支援を受けないまま、人知れず苦しんできたという事実。そして、秘密裏に米政府から200万ドルのお金をもらい、事件の幕引きを図った当時の日本政府(その後突如としてマグロの放射能検査を取りやめにし、日本人の食卓に汚染された魚が流通するのを許していた可能性が高いということ)。
被ばくして何十年も経ってからその本当の恐ろしさが身をもって分かる。しかし分かった時にはもう遅い。それが被ばくの現実です。知識では知っていたことですが、このような一人一人の船員たちの死とその家族の姿を見ていて、まるでフクシマの未来を見ているようでした。

 

アメリカは、世界最強の原子爆弾を手に入れるために、核実験の際、自国民も含めて世界中の人々を対象に人体実験をしていたこともわかっています。「3・11」よりずっと以前から、私たちはまさに狂気の世界に生きてきたわけです。
「いつの時代も、しわ寄せは弱いものにくる。いつの時代も…。」と語る、夫に先立たれた漁師の妻のことばがずっと心の中で反響しています。
「3・11」後の「被ばく社会」は、未来が死で満ちた社会です。そしてその未来の歴史は、1954年に人知れず被ばくした多くの人たちのその後の人生によってすでに書き記されていると言えるかもしれません。

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