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映画『第四の革命』

 先日、カール・A・フェヒナー監督の『第四の革命』(2010年)を観ました。来月新潟でも上映会を予定しており、その試写会でやっと観る機会を得ました。
世界10か国を飛び回り、新しいエネルギー社会への胎動を次々と紹介する映画です。ドイツでは、自主上映会が約200か所、約13万人が足を運んだといいます。(「2010年ドイツでもっとも観られたドキュメンタリー映画」だそうです。)
内容がrichというか、情報量が多く、メモを取りながら観る必要がある映画です。勉強になります。あのヘルマン・シェーア氏(映画公開の年にお亡くなりになりました)がナビゲーションをしながら、ムハマド・ユヌス氏やイーロン・マスク氏なども登場し、再生可能エネルギーへのシフトが実現可能であることを訴えます。
たくさんの発見があったのですが、大きなものは二つありました。
まず、世界の20億人以上が電気なしの生活を強いられているという事実。つまり、電気を使用することはこの人たちにとってはまさに「Basic Human Needs」であり、エネルギー問題は、単に先進国の消費の観点からだけでなく、世界大の南北問題の軸で考えなければならないということ。そしてこういった地域こそ、実は新しいエネルギー技術が有効なのだということです。
そして二つ目が、「脱原発」は、単に火力発電への回帰ではないということ。つまり、地下から取り出されるエネルギー(石油・天然ガス・石炭・ウラン)はどれも一体化したエネルギー産業システムを構成しており、その既得権益システムこそが、新しいエネルギー社会(地上エネルギー社会)の誕生を阻んでいるということです。既存のエネルギーシステムが中央集権的なら、新しいエネルギー社会は、まさに映画の副題「Energy Autonomy(エネルギーの自立性)」にもあるように、分権的で自立的です。それゆえ、再生可能エネルギーへの転換は、エネルギーのみならず、社会全体、地球全体のあり方を民主的な方向へと変える可能性があります。
この映画は、ドイツではその後のエネルギー政策へ大きな影響を与えたといいます。果たして、日本ではどうでしょうか。未だ終息しない原発をかかえ、瓦礫問題や賠償問題に悩む私たちは、未来の社会を構想する元気も出ないというところでしょうか。
けれども、たとえ今の日本はどうであれ、世界はもう動きつつあるということが、この作品の最大のメッセージであるという気がします。

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