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「統合失調症」と文明

私の教え子に、統合失調症で苦しんでいて、大学も長い間休学中の学生がいます。
波があるのですが、悪い時は、しばしば文脈がおかしな内容のメールも送ってきます。
多くは、ひたすら謝ったり、自分を責めたり、何かの長文を提出しようとしたりする内容のものです。
とても優秀な良い学生だったのですが、どうやら病気で大学に来られなくなったことをいつまでも引きずっているようで、何とも痛ましく思います。
そういえば、かつての私の親友も、同じ病名の病気で、ずっと職場復帰を夢見ていたのですが、長年果たせず、その間、いつも職場でかつての夢を実現するといった内容の半ば「妄想」を語りつづけていました。記述が過去形なのは、その彼がすでにもうこの世にいないからです。若くして「事故」で亡くなりました。
それでいつも思うのですが、彼らのおかしな内容のメッセージは、それ自体、この世界の常識とはあまりそぐわないものの、普通では気がつかない、何か大切な事を伝えようとしているのではないか…。
あるいは、おかしいのは、もしかしたら、この世界のあり方の方かもしれない…。
そう思う自分も、実は危いのか、本当は限りなく「病気」に近いのかわかりませんが、彼らのメッセージの表層の背後からきこえてくる魂の声には、看過できない「何か」を感じます。
彼らは確かに壊れている。けれども壊れたというのは、彼らが鏡のように「正直」だったからかもしれない。彼らは壊れた世界をそのまま自分に取り込んでしまったから、自分も壊れてしまった。それゆえ、彼らを修復するためには、まずは壊れた世界を修復しなければならない…。そんな風にも思えます。
これは直感ですが、今の行き詰った「文明」を突破するヒントが、統合失調症の世界の中にあるような気がしています。
それゆえ、彼らの日々の苦しみと格闘は、けっして無駄ではない…。
そう思いたいし、そう思えます。

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