多忙に任せ、前回の投稿からまた2か月以上経ってしまいました。
あれから本当に新しい候補を生み出すことに成功し、しかも選挙にも見事勝利することができました。参院選から、いわば「ホップ・ステップ・ジャンプ」と、一連の流れにあったと思います。つまり、参院選の勝利がなければ、知事選の勝利もなかったように思います。
「新潟ショック」とも呼ばれますが、一種の「奇跡」だったのでしょう。確かにいくつもの偶然や奇跡が重なりました。けれども、どんな「奇跡」も後で考えれば「必然」の要素があります。もうすでに、新聞やテレビのインタビューで話してきたので細かい事は書きませんが、結論からいえば、地方発の新しい市民政治の時代が始まったということだと思います。その影響は、当初私が考えていたよりも全国規模で、なおかつ社会の地層の深いところに届いているようです。選挙の最大の争点はもちろん、原発再稼働問題でしたが、それに付随して、新しい新潟のあり方が問われました。
新しい新潟県知事、米山隆一さん。彼の6つの公約を改めて確認しましょう。
http://www.yoneyamaryuichi.com/seisaku.html(公式ホームページ)
<安全への責任>
①原子力防災への取り組み
②自然災害(雪害、水害、地震他)防災に対する取り組み
<食と農を守る責任>
①TPP対策
②地域農業保護対策
③21世紀型の「農業大県」への挑戦
<命への責任>
①子育て支援・少子化対策
②中央と変わらない医療の実現
③新たな医療の創造
④誰もが安心して暮らせる介護の実現
⑤安心の福祉制度の実現
⑥拉致問題の完全解決への取り組み
<雇用の責任>
①新潟の利便性の向上
②企業・起業の支援
③新産業の促進
④働く環境の向上
<住民参加への責任>
①一人一人が参加できる県政の実現
<教育への責任>
①誰もが安心して教育を受けられる新潟
②質の高い義務教育の実現
③芸術文化による地域創造
以上ですが、この公約の細目の中には、「自然エネルギー企業への支援(新潟県版「グリーンニューディール」)」、「地域の観光資源とイベントを組み合わせたストーリーのある観光資源の創造(グリーンツーリズム、食のツーリズム、アートツーリズム)」、「県民健康ビッグデータの民間開放による、健康産業創設の支援」、「定期的なタウンミーティング」、「新潟版「給付型奨学金」の創設」などなどのキーワードがあります。原発型社会からの脱却と「新しい社会」へ向けた取り組みが謳われています。
このブログのテーマでもありますが、「<文明>の新しいかたちを求めて」、新潟県という自治体でそれが可能であるかどうかが試されます。もちろん、それは容易な事ではありません。これらの公約をすべて実現するためには、いったい何年かかるかわかりませんし、思わぬ事態も発生するでしょう。けれども、幸いとても有能な新知事です。私たち新潟の市民も、腰を据えて知事を長く支えてゆければ、きっと不可能ではないでしょう。しかし逆にこういう「理想」に満ちた政権は、えてして短命であることも、歴史が教えるところです。「理想」を実現するための狡猾な知恵も必要です。知事を支える、県民ならびに全国の叡智が必要です。
新潟がモデルとなって、日本の民主政治が息を吹き返すようになればと夢想します。一方、現実には無数の課題が山積しています。そこで、かつて丸山眞男が語った「民主主義の“虚妄”に賭ける」ということばを再び思い出します。「“虚妄”に賭ける」。この言葉の本当の重みと深みを再認識しています。