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科学者・技術者の役割

去る 9月4日・5日と、原発プラント技術者や、金属工学の専門家、地震学の研究者などと、現在の原子力発電の問題をテーマとした意見交換合宿(勉強会)を行いました。
詳細は、事情があって公表できないのですが、いわゆるこういった一線の「理系」の人たちの報告をきいたり、彼らと交流したりしながら、実に多くのことを学ぶことができました。
何より、己の強靭な「良心」に基づいて生きてゆこうとする技術者や科学者の存在を目の当たりにできたことは、同じ研究者として何よりの収穫でした。原子力発電は、無数の要素からなる複雑なシステムを構成していますが、その稼働の是非を評価する際に、人間としての熱い心だけでなく、個々の明確な専門領域の観点から、あくまで論理的・科学的にアプローチしようとする姿勢はとても立派でした。社会への強い責任感を内に秘めた、こういった優れた専門家たちは、実際は稀有な存在なのかもしれませんが、今後もっとも重要な人々であると思いました。
この勉強会には、一般の市民も参加したのですが、科学者や技術者である専門家たちは、まさに自分がまずはひとりの市民であることを前提に、彼らの声に耳を傾け、共に考える姿勢を例外なく共有していました。私の追求している「平和学」は、まさにこのように、個々の相異なる知性が領域横断的に結びつくことによって生まれます。そういった、知の連携、知の民主化という観点からも、今回の経験は貴重なものとなりました。

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