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原爆から原発事故へ――「戦争は平和である」時代

 

この広島の原爆ドーム(筆者撮影)付近では、現在ほとんど放射線は検出されないといいます。
ここ広島でさえ、かつての「戦時」は、あくまで現在の「平時」と区分されて扱われているように見えます。原爆ドームは、当時の惨劇を「思い出す」ために、まさに今の「平和」な時代に設置されている記憶装置にほかなりません。
けれども、今、フクシマでは、原爆よりはずいぶん微弱な放射線が、しかし24時間ずっと住民の日常を覆い続けています。そして、ボディブロウのように、すこしづつ、人々の精神と身体を蝕んでいます。
原爆から、原発事故へ。それは、「戦時」が日常化するということです。「戦時」と「平時」の境目がどんどん曖昧になっていく。それは、G.オーウェルが『1984年』で描いた「戦争は平和である」という世界です。

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