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若者たちの反乱

 世界中の広場や路上で、若者たちが異議申し立てをしているというニュースが届きます。日本では(すくなくとも新潟では)、こういう動きはなぜかあまり見かけませんが、今の状況をみると、若者たちの怒りは当然である気がします。


以下は、『産経新聞』の記事からの抜粋。
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国際コンサルタント会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が最近、英国の「1963年生まれ」と「93年生まれ」の世代の所得を比較したところ、65歳の時点で93年生まれは25%、金額にして40万ポンド(約4900万円)も63年生まれより貧しくなるという結果が出た。


 第二次大戦が終了した46年から60年代半ばまでの出産ブーム時代に誕生した「ベビー・ブーマー世代」は無料の教育費、緩やかに上昇する不動産市場などの恩恵を享受できた。これに対し、その後の「バスター世代」は目先の大学授業料値上げだけでなく、不動産バブル崩壊、将来の年金削減に直面するとPwCは分析する。


 今年4月の米世論調査会社ギャラップの調査でも、55%の米国民が「所得・住宅・教育面で子や孫の世代は自分たちの世代より貧しくなる」と答えていた。


 7~8月に英BBCラジオ番組で「親より貧しい世代」を特集した米国出身の人気財務コンサルタント、アルビン・ホール氏は「若者たちは親世代は幸運だっただけと考え、自分を取り巻く環境にひどく怒っている。革命が起きてもおかしくないと語る親世代も少なくなかった」と報告した。


 スペインでは若者世代の失業率が43%に達するなど、金融・経済危機の後遺症をひきずる先進国では、15~24歳の失業率は25歳以上の3~4倍にのぼる。


 高齢化で年金や医療費の予算が膨らみ、各先進国は財政赤字を埋めるため国債を大量発行。一方で財政健全化に教育費など将来世代への投資を削っている。


 英国では大学授業料が約3倍の年9千ポンドに値上げされ、昨年12月に若者の暴動が起きた。イタリアでは大学予算削減やスキャンダルまみれのベルルスコーニ首相に対する若者の不満が渦巻いている。


 世代間の経済格差に気づかされた若者が自分たちの声を政治に反映させようにも人口構成上、有権者の中では少数派にとどまり、街頭を占拠して声を上げるしか道がない。インターネットを通じた「Occupy(オキュパイ=占拠せよの意)」という呼びかけに欧州やアジアの若者が一斉に反応したのは、構造的な矛盾へのいらだちを共有しているからに他ならない。
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この問題は、記事にもあるように、まさに「構造的な矛盾」にほかなりません。グローバルな「労働なき資本主義」では、構造的に多くの若者が職にあぶれ、まさにごく一部の人々のためだけの経済が展開するので、こういった不満の噴出は簡単に終わることはないでしょう。こういった大衆運動がそのまま何か善き世界をもたらすと考えるのはあまりにナイーブですが、資本主義が持つ構造的な矛盾としてこの問題をとらえることが今は何より重要だと思います。


 

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