最終日、福島大学の学生に案内されて、福島大学と福島駅前を訪れました。
持参した、放射線測定器の数値以外は、どこも災害前後でまったく変わりのない風景です。
福島大学に着いて、駐車場で測った数値は、1.0マイクロシーベルト/時。大学構内でも、除染がされていない草むらや林では、高い線量がでます。
けれども、教室や校舎内では、0.05~0.08代の新潟と変わらない数値でした。
写真のように、福島大学では、校舎の「顔」というべき中心に、線量計が設置してあります。
この時は、0.19マイクロシーベルト/時。学生によれば、この付近は、ちゃんと除染してあるそうです。ただ、下の写真のような「緑」のところは、やっぱり線量が高くなります。
このほか、大学内の図書館やサークル活動の様子なども見せてくれました。本当に親切な学生さんたちでした。
そしてお腹が空いたので、彼らとランチを食べに福島駅前へ…。
街線量計は、0.6~0.7マイクロシーベルト/時を指していましたが、写真のように、街を歩く人たちは、子どもたちも皆マスクなどせずに歩いています。ちょうど天気の良い日曜日だったのでなおさら、普通の平和な風景でした。
彼らとおいしいイタリア料理を食べて、通りを平和に歩いている人々を見ていると、まるで夢を見ているようでした。
「原発事故なんて本当は起きなかったんじゃないか。」
「放射能が降ってきたなんて、夢じゃないのか。」
本当にそう感じました。
学生たちによれば、はじめは洗濯物を外に干すのをやめたり、マスクをしたり、換気扇を回さないようにしたりしたと言います。けれども、時間が経つと、「つい忘れてしまう」のだそうです。ふと思い出して、またしばらくマスクをしたりするけれども、またいつの間にか忘れる…。その繰り返しだということです。今では、大学でも、マスクをして歩く人は少なくなっているそうです。
「日常」とは何でしょうか。
私はあれから、この街の風景を思い出すたびに、自分が今も生きている「日常」について考えるようになりました。
「日常」とは何か。。。。
「サバンナ」の日本から ③ 「日常」とは何か
2012年6月16日