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マララさんと日本国憲法第9条をつなぐ論理――真の「革命」について

今年のノーベル平和賞は、マララさんに決まったようです。ノーベル平和賞ですから、例のごとく政治的な計算があったり、欧米の価値観の押しつけと批判する向きもあるようですが、ノーベル委員会はとても良い選択をしたと思います。
日本国憲法第9条も候補にあったようなので今回は残念ですが、やはり9条の理念を謳うだけでなく、その理念の実現に向けてどの程度の努力がなされてきたのかという点で考えれば、今回は落選やむなしというところかもしれません。来年以降の受賞は、これからの日本の私たちの努力次第だと思います。
マララさんが指摘するように、すべての女性(とくに若い女性)は、まず正当な教育を受ける権利をもっています。この地球上のさまざまな矛盾を克服するための鍵の一つは、これら貧しい地域に生きる女性たちの「覚醒」であることは疑いえません。
加えて、特に比較的豊かな国に住む市民にもできることがあります。それは、自らが寄って立つ植民地主義的な世界との関係をできるだけ縮小し、そのために自らが可能な限り自立的(自律的)な生活を目指すということです。まさにガンジーが目指した自立的(自律的)世界こそ、植民地主義をこえる唯一の道です。
地球上のあらゆる地域に住む女性たちが目覚め、疲れ果てた「文明人」たち(主として男たち)がこれまでの生き方を見直し、新しい「文明」を模索し始める。いずれも、少しずつ、静かに進行する真の「革命」への道です。
この真の「革命」への道は、また、遠くから聞こえてくる<他者>の声を聴くことから始まるでしょう。それは、既存の権力が、すでに人々の声を聴くための能力を失ってしまっているからです。耳をすませば、真の「革命」の胎動が聞こえてきます。
誰の眼にも明らかなように、競い合い、奪い合う「文明」は、もう終わりを迎えつつあります。これも徐々に進行しています。この矛盾は多くの人にとって耐え難いレベルにまで達しています。そろそろ人類は、これとは異なる「文明」を創りだす必要があります。
競い合い、奪い合う「文明」とは異なる、共に分かち合い、助け合う「文明」。きれいごとでしょうか。しかし、現代における真の「革命」とは、この前者の「文明」から後者の「文明」への移行にほかなりません。逆に、この移行に関わるすべての人間的試みは、すべて「革命的」であると言えるでしょう。
マララさんにならって、世界中の少女たちの自立(自律)と私たちの自立(自律)とをつなげる道を考えましょう。それは私たちと世界との関係をつなぎ直すことを意味します。日本国憲法第9条は、世界を非暴力によって構成するよう命じていますが、それも私たちと世界との関係のつなぎ直しです。無理なことでしょうか。しかし少なくとも、マララさんはその「無理」なことを自らの命をかけてでも実現しようとしています。ノーベル委員会はそのことを応援しようとしました。私たちには何ができるでしょうか。
私たちは、これから訪れる真の「革命」の担い手になれるでしょうか。しかしそれは、私たちのごく身近なところから始めることがきるし、決して不可能なことではないように思えます。

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