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試される「野党」の力――新潟県の知事選に寄せて

 参議院選挙が終わったばかりだというのに、新潟は知事選を迎えて大騒動です。ご存じの通り、現職知事が「心が折れた」と言って突如選挙から撤退したために、特に原発や災害問題で知事の政策に拍手を送っていた市民の皆さんは驚き、悲嘆に暮れています。唯一残っている候補者は、まだ明確な政策を提示していませんが、現与党との関係が深く、原発再稼働につき進むのではないかと思われます。

 

 そんな中、こうなった以上、知事選にも何らかの形で市民連合が関与するべきだというご意見も多くの方々からいただきます。しかし、もともと「市民連合@新潟」は安保法制を廃止して立憲主義をとりもどすために結成された団体なので、今回の知事選の争点で活動するのは筋が違います。もし原発政策を争点にするなら、別の形の市民団体をつくる必要があります。ちなみに私は、民主主義の最低限のルールをめぐって争われた前回の選挙では「共同代表」として名を連ねましたが、原発問題ではそれは私ではなく、他の方の役割だと思っています。

 

 知事選は、一種の大統領選挙のようなもので、本来一つの争点だけで争うのではなく、通常は、経済、福祉、教育、文化など多くの問題を同時に議論する必要があります。しかし今回は、新潟のみならず日本や世界の原子力の行方までも左右する「原発再稼働」という明確な争点があります。メディアも含め、今回の知事選の最大の争点がなんであるかをまずはしっかり明確にして選挙を行う必要があると思います。

 

 さて、目下の課題は、現職知事の原発問題への対応を受け継ぐような対立候補を出すことができるかどうかということです。もし出すことができれば、争点はさらに明確になり、有権者も判断しやすくなります。不戦勝(不戦敗)のまま知事が決まり、県を二分する大きな争点の行方が決まってしまうと、後々かなりの禍根を残します。健全な民主的決定のためには、どちらの立場に立つにせよ、どうにかしてもう一人の候補者を出さなければなりません。

 

 一度は撤退した現職知事がカムバックするのでもいいでしょう。しかし、それではいったん下した「撤退」という決断が軽すぎたということになりますから、難しい判断です。

 

 それゆえ、今、民主主義国家に生きる新潟の市民がすべき事は、選挙の争点が明確になるよう、原発再稼働反対の立場の(そして口先だけでなく住民の安全や被災者の支援を再優先する)もうひとりの候補が生まれるよう、既存政党や社会に働きかけることだと思います。健全な「Opposition(民主主義のための対抗軸)」をしっかりとつくりだすという意味では、先の参院選と同じ課題であるとも言えますが、何よりも「野党」の働き如何が試されているのだと思います。

 

 もう一度言いましょう。今、新潟の「野党」の力が試されています。

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