2011年– date –
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「非知のパラドクス」
「…チェルノブイリ後の世界では、この社会が徹底的にカフカ的性格をもつことを学ぶことができる。…その結果、日常的に人々は、『非知のパラドクス』が自分を恐怖に陥れていることに気づく。すなわち危険が増すほどに非知も増し、それだけ決断は不可... -
科学者・技術者の役割
去る 9月4日・5日と、原発プラント技術者や、金属工学の専門家、地震学の研究者などと、現在の原子力発電の問題をテーマとした意見交換合宿(勉強会)を行いました。 詳細は、事情があって公表できないのですが、いわゆるこういった一線の「理系」... -
柏崎刈羽原発に関する県の「技術委員会」
昨日開催された技術委員会(地震、地質・地盤に関する小委員会)を傍聴しての感想です。 上の写真はその様子です(こちらに背を向けているのが東京電力の代表、向かいが3人の委員、左奥が委員長(司会))。 1. 全国でも例を見ない、新潟の技術委... -
スマート・シティ
今日のNKHスペシャル「新エネルギー覇権争奪戦――日本企業の闘い」を見て。 津波でまっ平らになった東北の被災地は、今、次世代の新たな省エネ都市、「スマート・シティ」建設のためのビジネス戦争の舞台になっているといいます。日立やシャープなど... -
<思想>としての原発事故
福島第一原発の深刻な事故は、日本の敗戦と同様、多くの教訓を残すことになりました。 まず、重大な失敗や事故やは、科学技術や数学的な確率論(運)の問題なのではなく、すぐれてそれをもたらした人間の<思想>の問題であるということ。 敗戦を導... -
驕(おご)れるものも久しからず。
20世紀の覇者、アメリカも凋落ぶりを隠せないようです。厳正な市場は、たとえ優れた大統領をいただいているとしても、USAを、もはやかつて様に扱うことがなくなりました。 そして「3・11」を経験した日本もまた、その根幹から滅びの予感を漂わせて... -
破壊の跡――宮城県東松島市野蒜地区
写真は、先週末訪れた、宮城県東松島市野蒜(のびる)地区です。 震災から5か月近く経っているにもかかわらず、町はまるでどこか別の惑星の廃墟のように、静まり返っていました。 一番下の写真は野蒜駅ですが、よく見ると、時計が2時48分で止まって... -
地に呪われたる者 2
フランツ・ファノン『地に呪われたる者』(みすず書房)より抜粋。 ● セク・トゥーレ大統領がきわめて的確に指摘したのは、このことである。「思考の領域において、人間は己こそ世界の頭脳であると自負することもできる。だが、いっさいの(外部か... -
ミナマタとフクシマ
ミナマタとフクシマには、多くの共通点があります。 特にその事件発生から事態の悪化、隠ぺい、被害者の分断、差別というプロセスは、酷似しています。 また、近代文明と経済成長を優先させた国策(官僚制)の結果という意味でも共通しています。 発... -
「3.11」以後の堕落論
坂口安吾の「堕落論」を再読しました。 大学に入学し、1年生の最初の政治学のゼミで読んだのが、確かこの「堕落論」です。 その時は、まさかその後、彼の故郷の新潟へ移り住み、それから約25年後にこれを再読することになるとは思ってもいませんでし...